一度の過ちは許される

WBC世界フライ級王者の比嘉大吾が、計量で900g超過して王座を剥奪された。国内の世界戦で日本人選手の体重超過は前代未聞の大失態。比嘉と言えば、デビュー以来15戦全勝でかつ全てKO勝ちの日本タイ記録保持者だ。この試合に勝てば日本記録を更新するし、世界統一戦の道も拓かれていた。比嘉の特長は強力なパンチ力。それを支える筋肉質の身体。胸囲は相手のロサレスの79cmに対して比嘉は97cm。20kgも重い村田とほぼ同じ。鍛えてきた肉体はKO劇を支えたが、減量のリスクには対応出来なかったということだ。2ヶ月半で11kgを減量するのは相当過酷だ。過去にはパニック障害や脱水症状を起こしていたという。試合はテレビ中継されたが、自分は観なかった。結果は9回TKO負けとのこと。減量はボクサーにとって絶対条件だが、違反しても具体的罰則は決まっていない。これからJBCが処分を決定することになる。一定期間の試合出場禁止が科せられるのだろう。試合終了後ファンからの「また戻ってこいよ」との声援は比嘉には堪えたに違いない。一度の過ちは許される。いつの日か階級を上げてカムバックする比嘉の姿を見たいものだと思う。