都迷惑防止条例改正の是非

東京都迷惑防止条例が改正された。3月30日に公布され7月1日に施行される。東京都迷惑防止条例は当初繁華街で迷惑行為を重ねる愚連隊などを取り締まることが目的で1962年に制定された。その後何度か改正されて、現在は盗撮行為や痴漢行為も規制対象になっている。今回の改正内容は、盗撮行為の規制場所等の拡大、つきまとい行為等の行為類型の追加、つきまとい行為等の罰則の強化。この改正で、盗撮やストーカー行為を抑える効果が期待出来そうだ。だが、問題もある。つきまとい行為には、監視していると告げる、名誉を害する事項を告げる、性的羞恥心を害する事項を告げる、の3点が追加された。「監視していると告げる」と「名誉を害する事項を告げる」には恣意的に運用される恐れが充分にある。一般市民が国会前や路上やSNSで国会議員の批判をすることや、国会前のデモも犯罪と見なされるようになるかもしれない。記者の張り込み取材も規制の対象になるかもしれない。特に札付きの政治家は法律を拡大解釈し保身することが得意だ。安倍政権がこのまま続けば憲法改正決議に至るのは必至。相当大規模なデモが予想されるが、この条例の解釈次第でデモは不法行為になるかもしれない。だがデモは一般市民にとって数少ない正当な抗議手段だ。条例は拡大解釈がされないようきめ細かに作るべきものだと思う。