女性蔑視の波紋

「土俵上での女性の救命介護」が波紋を広げている。倒れた市長の一命を救った介護関係の女性は名前の公表を固辞した。アッパレ、これぞ大和撫子だと思う。一方で春日野巡業部長は、出入り口の袖で女性が介抱するのを一部始終見ていた。だが途中で姿を眩ましたという確かな目撃証言がある。そして本人は「トイレに行っていたのでアナウンスも聞こえなかった」と弁明。これを敵前逃亡という。見方を変えて海外ではジェンダー問題として捉えられているようだ。先進国の中でも特にジェンダー平等が進んでいない日本の典型例だとか、夫婦同姓問題や女性政治家の少なさ、皇位継承という問題にも及んでいるという。また、時代に追いつこうとしながらも根深い伝統にしがみつく社会だという意見もある。冗談じゃない。これは日本の常識ではない。大相撲だけが、異様に女性蔑視の世界を演出しているだけなのだ。事実、相撲関係者の色恋沙汰は多い。大相撲界ではこの種の噂には事欠かない。そんな異様な世界なのだ。今回の事件で残念に思うのは、また間違って日本のイメージを世界に発信してしまったことだ。八角理事長であれ、春日野巡業部長であれ、もうこれ以上日本の品位を貶めないで欲しいと思う。願うのはそれだけ。でも敢えて更にあと一つ加えるとすれば、大相撲業界を刷新して欲しいと思う事。たかが、小さな願いなのだが。