文民統制って

イラク日報隠蔽問題で防衛省の文民統制が問われている。文民統制とは、文民たる政治家が軍隊を統制するという政軍関係における基本方針のこと。軍事に対する政治の優先を意味するから、政治統制と名付けた方が分かり易い。イラク日報の存在を問われ、当時の稲田防衛相は国会で「日報は存在しない」と答弁した。だが、その1か月後に2004年1月~06年9月の派遣期間中の408日分、約1万4000ページに上る日報が見つかっていた。しかし、稲田には報告されなかった。時が1年過ぎ小野寺防衛相が先日見つかったと公表した。でも、来年度予算が成立した日の数日後だ。小野寺がいつ報告を受けたのかは極めて怪しい。これも隠蔽なのかもしれない。マスコミは、当時稲田に報告しなかった防衛省に対し文民統制されていないと問題視している。結果として文民統制されていないのは明らかだが、何故そうなったのだろう。当時の稲田は防衛の素人でありながら、大臣を補佐する3人の参与のクビを切った。そこから稲田の迷走が始まった。防衛省から見れば、稲田が何をしでかすかが分からない。国防上極めて危険な人物だと認識したに違いない。そこで稲田には大事なことは報告しない戦術を採ったのだろう。この時点で文民統制はされていないが、それを壊わした犯人は稲田と見るべきだと思う。共犯は安倍の人事ミスとも言える。現在稲田はその傲慢さ故地元自民の反発を受け次期選挙では公認されない見通しという。事態は好転していると言うべきなのだろう。