国家権力の毒

2017年の流行語大賞は「忖度」だった。今となれば忖度の時代は良かったと思う。忖度とは「他人の気持ちをおしはかること」。他人が勝手に良かれと思ってすることだ。ところが、安倍政権に関するイザコザを眺めていると、忖度を遙かに超えた国家権力の横暴さが目に付き始めてきた。森友問題の火消しに内閣府が必死だ。森友問題の発端は昭恵夫人に間違いはなさそうだが、公文書の改ざんという犯罪まで犯して証拠の隠滅をはかった。財務省内の出来事とされているが、内閣府から指示が出ていた確率は極めて高い。また篭池理事長は半年以上も牢屋に収監されている。人権蹂躙と言うべき程異常に収監期間が長期に及ぶ。口封じのため圧力を掛けて延ばしているとしか考えられない。加計問題でも、文書の改ざんが明らかになった。内閣府からの指示だという。前川前事務次官を出会い系バー利用という官邸からの情報で信用を落とさせようとしたし、今度は中学校の講演内容を文科省を通してチェックし出した。まるで戦時中の国家統制教育と同じだ。更に、官邸の情報屋として使っている元TBS部長の逮捕を阻止した。レイプ事件で高輪署が逮捕する寸前に天の声により逮捕が見送られた。当時高輪署員はテレビドラマのように憤慨していたとのこと。これらは決して忖度ではない。国家権力の乱用そのもの。安倍一強の成せる術だ。余りにも強くなり過ぎると毒が滲み出す。その毒はやがて一般国民にも襲いかかるようになる。安倍劇場も、そろそろ幕を引く潮時だと思う。