問うべき公共放送の在り方

スイス公共放送の受信料廃止の是非を問う国民投票は7割の反対で否決され、受信料徴収の存続が決まったとのこと。スイスでは日本と同様に受信機を所有する全ての世帯に受信料納入が義務付けられている。受信料廃止提案の理由は、テレビ・ラジオ以外にも多くの選択肢があり、全く視聴しない放送局へ受信料を強制的に支払わされるのは時代にそぐわないこと。でも廃止派は公共放送の中立性の価値は認めている。一方、存続賛成派は、強制的な受信料を廃止すると公共放送が存続出来なくなること。受信料の一部が使われる文化事業にも大きな打撃となること。特に公共放送の中立的な情報が得られなくなることを危惧している。賛成派も反対派も公共放送の中立的存在価値を認めている。ただ放送内容については見直しを求めている。公共放送のある独でも仏でも、公共放送の在り方が問われている。だが日本では公共放送であるNHKの在り方は問われていない。NHKは潤沢な受信料収入に支えられ、常に野放図な事業拡大を図っている。まず第一に公共放送とはどうあるべきを議論しキッチリと定義すべきだ。その定義の枠内で内容を充実すべきだと思う。今は「公共放送の定義」が無いから「公共放送という名」が一人歩きし、拡大解釈され番組も事業も膨らみ続けている。この種の問題は、日本では主体的に解決することは無い。遠い欧州での公共放送騒動が日本に波及することを願うばかりだ。