第6、第7の味覚

人が舌で感じることが出来る味覚に「第6の味」が存在する可能性があると、カリフォルニア大学の研究グループが科学誌に発表した。古くから「甘み・苦み・塩み・酸っぱさ」の4つが知られていたが、2000年頃から世界的に日本料理の出汁の「うまみ」が追加され、今は5つの味覚が常識になっている。今度はそれに「カルシウム味」が加わるかもしれない。カルシウムはヒトの体では骨や歯を作るために欠かせないものだが、一方で過剰摂取は健康を害し死に至らしめるケースもある。そのため、生き物には丁度よいカルシウムの量を知るために、カルシウムに反応する味覚が存在すると考えられている。この研究グループは、ハエを使って実験的に「カルシウム味」の存在を証明したとのこと。ちなみに「カルシウム味」は、苦味と酸味が少しずつ混じった味に感じられるそうだ。でも何か違和感を覚える。味覚なのだからカルシウム味と言われても、味覚として実感出来ない。この例でいくと「見た目」も味覚の一つで「第7の味」になるのかもしれない。料理の美しさは、間違いなく美味しさを引き出すのだから。