穏やかな年明け

穏やかな年明けだ。今年はきっと良い事が沢山あると予感させる程穏やかだ。昔から、元旦には年神様(としがみさま)という新年の神様が、1年の幸福をもたらすために各家庭に降臨すると言われている。年神様は祖霊神であり、田の神、山の神でもあるため、子孫繁栄や五穀豊穣に深く関わり、人々に健康や幸福を授けるとされている。道理で正月は目出度いはずだ。古来から日本人は祭礼や年中行事を行う日を「ハレの日」、普段の日常を「ケの日」と呼んで、日常と非日常を使い分けてきた。三が日は、年神様を家に迎え五穀豊穣を祈る日だから「ハレの日」だ。「ハレの日」は特別だから「ケの日」にする日常的な行いはしない慣習がある。「三が日にやってはいけない事」は、掃除、水仕事、お風呂、火、お金。掃除で年神様を追い出さないように。水仕事で年神様を流さないように。お風呂で年神様から戴いたご利益を洗い流さないように。火を使わずにおせちを食べる。大金を使うと散財する1年になる。だが、今日の我が家の行動を振り返ると、掃除をし、洗濯をし、お風呂に入り、料理をし、神社で賽銭を投げた。元旦早々年神様は逃げていっていまったのだろうか。そこで考えた。自分が子供の頃、母は元旦には掃除、洗濯、料理をしなかった。年神様とは、山の神即ち主婦に違いない。元旦は働き詰めの昔の主婦にとって、年に一度の休息日だったのだろう。