祝、将棋界の金字塔

羽生棋聖が渡辺竜王との竜王戦7番勝負を制した。この瞬間、羽生棋士は永世七冠の偉業を成し遂げた。正に将棋界の金字塔だ。おそらく羽生棋士に続く永世七冠は現れないだろう。将棋界のトップ級のトップでも、一つのタイトルを1回獲るのがやっとのことだ。永世七冠とは、1つのタイトルを複数回獲り、かつ7つのタイトルを規定回数獲るということだ。名人は通算5期獲れば永世名人の称号を得ることが出来る。永世王将は通算10期、永世棋王は連続5期、名誉王座は連続5期または通算10期、永世王位は連続5期または通算10期、永世棋聖は通算5期そして永世竜王は連続5期または通算7期が条件になる。羽生棋士は、これらを全て達成した。いくら強いといっても、その強さは桁外れだ。世の中はAIが発達している。将棋は最早AIが勝つ時代になった。パソコン操作に秀でた若手棋士が、嘗て強かった老練棋士を駆逐し、しかも将棋の定石は様変わりだ。その中で、羽生永世七冠は、若手に負けていない。将棋が益々アグレッシブになっている。報道によると、竜王戦の終盤、羽生棋士の指し手が何度か震えていたという。手の震えは緊張から来るものではないということは知っている。羽生棋士は終盤で勝ち筋が見えると手が震えるのだ。手が震えたからこそ、渡辺竜王は負けを悟ったのかもしれない。自分も、時たま左手が震えることがある。でも、これは単に加齢現象だ。同じ手の震えでも、雲泥の差があるようだ。