ビナードさんの指摘

昨日の毎日新聞の特集「アーサー・ビナード氏の直感」が面白い。ビナードさんは滞日27年の米国詩人。嘗て「日本語ぽこりぽこり:アーサー・ビナード:小学館」を読んだことがある。軽妙な文章のエッセイストだ。日本人以上に現在の日本を見ていて、新しい気付を発見させて立ち止まさせてくれる本だった。そのビナードさんが、美しい日本語は消滅に向かっていると言う。以下は特集の拾い読み。来日以来、経済を語る言葉が劇的に英語、カタカナばかりになった。日常会話でデリバティブ、アウトソーシング、インバウンドという言葉を当たり前のように使う。中身や衝撃度が分かっていないのにTPPという言葉だけが独り歩きし、分かった気分になっているうちに、チチンプイプイと騙される。問題は、人が自分の言葉で考えなくなるという危惧だ。小学校で英語を学ぶのは良いが、反面子供たちに日本語は英語より劣っているという印象を無意識に植えつけている。日本語力も弱まり、文科省の英語教育は悲惨だから二流の英語人が育ち、きちっとした言葉を持たない民があふれる。要は、自分たちの国を自分たちで好きなように創ろうという真の意味での独立を日本人は諦めているのではないか、と指摘している。ご指摘ご尤もですと読みいった次第。またまた立ち止まされ考えさせられた。