トップの責務とは

肝心なときに強力なリーダーシップ力を発揮するのがトップの責務というものだ。日本の製造業の信頼性が揺らいでいる。神戸製鋼、三菱グループ等々の大企業によるデータ偽装が次々と発覚している。日本の製造業も地に落ちたものだと思う。このままでは日本の信頼回復は困難だ。こんな時こそ経団連の出番だと思う。政府のご機嫌を取るだけが仕事ではない。不正撲滅のため、傘下の全企業に見直し・改善・防止策を徹底するよう、大号令をかけるのが経団連会長の仕事のはずだ。ところが、あろう事か、榊原会長の東レでもデータ偽装が発覚した。しかも偽装の歴史は榊原の社長・会長時代まで遡るという。榊原の任期もあと少しだが、引責辞任という手はある。身を持って行動に移せば、信頼回復の動きを少しは後押しするかもしれない。会長でいる限りトップの責務は免れようもない。一方大相撲協会では横綱の暴行事件が騒がれている。結局処分する前に、日馬富士が引退を表明してしまった。八角相撲協会理事長は、終始他人事で何もしなかった。コメントは「断腸の思い」だ。何に対してどういう思いなのかが全く不明。存在感はゼロ。期せずして両トップにボロが出た。トップに就く前に「トップの責務とは何か」を言い聞かせる必要があるとは情けない限りだ。