ボジョレーの誘惑

11月第3木曜日はボジョレー・ヌーボーの解禁日だ。今年は11月16日だが、嘗てほど騒がれなくなった。日本では20年前のワインブームの頃から注目され、一時は世界への出荷量の半分もが日本に輸入されたという。産地のボジョレー地区にとって日本は「お客様は神様です」状態だったようだ。輸入量は2004年をピークに、現在は半減以下になっている。ボジョレー・ヌーボーの評価が面白い。公的なボージョレーワイン委員会による評価は、エレガントだとかフルーティーだとかの表現なので、美味いか不味いが判別不能。一方、販売業者による評価は威勢が良い。100年に1度の出来とか、21世紀最高の出来とか毎年最高の出来と言う。ボジョレー史上最悪の年となった2012年でも「偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、心地よく、よく熟すことができて健全」と褒める。褒めちぎるだけだから参考にもならない。そんな口車に乗ってボジョレー・ヌーボーを飲んできたが、そろそろ口も肥えてきた所為か、輸入量が減っている。業者は「今年は最高」と言う。その言葉に、つい飲みたい衝動に駆られてしまう。美味しい飲み方は、タンニンが少ないので冷やした方が良いとのこと。一番美味しい期間は、解禁から2~3か月だとか。取り敢えず買うことにした。自分はアルコールの誘惑に弱いだけかもしれない。