遠いミャンマーの出来事

ミャンマーと日本の間は極めて遠い。物理的な距離の遠さよりも、理解出来ない所が距離以上に遠い。今ミャンマーはロヒンギャ問題に揺れている。ミャンマーの事情は、つい昨日まで知らなかった。今も良く分からない。分からない上での話になる。ミャンマーの9割は仏教徒だがロヒンギャはイスラム教徒。ロヒンギャは隣のバングラデシュから来た移民が源流。19世紀に植民地化していた英国が仏教徒とイスラム教徒の両者を反目させそれが今も続いている。1982年に軍事政権はロヒンギャを「不法移民」として国籍を剥奪。ミャンマー政府はロヒンギャを人間扱いしていない。最近治安部隊の攻撃により、ロヒンギャ100万人のうち40万人以上が難民となり、隣国バングラデシュに逃げた。国連では、攻撃を止め、ロヒンギャを安全に帰還させ、ロヒンギャの権利拡大と和解を求めている。以上が俄勉強で知った経緯だ。スーチーは今やミャンマーの実質的な最高指導者で権力を持っている。1991年には非暴力民主化運動の指導者としてノーベル平和賞を受賞している。ところがロヒンギャ問題に対しては及び腰だ。スーチーは今月5日以降強制排除作戦は行われていないと言うが、現地記者は行われていると証言している。ロヒンギャにも分け隔て無く教育と医療を受ける機会があると言っているが、当局の許可がないと教育も医療も受けられないし、そもそも許可が出ないのが現状とのこと。言うことが違う。スーチーが真の非暴力民主化運動の指導者であるならば、正面切ってロヒンギャ問題に取り組むべきだと思うのだが。