無い無い尽くし

久々なNHKのスクープだ。森友学園の土地代8億円ディスカウントの真相が明らかになった。森友問題の核心は、何故国有地が8億円もディスカウントされたかにある。国有地売却の当時の担当局長だった佐川理財局長の国会答弁は「記録は破棄した」「データはない」「政治家の関与はない」と「無い無い尽くし」だった。でもNHKの取材は生々しい。森友学園の弁護士と近畿財務局との売却価格協議の内容を初めて明らかにした。財務局が9億円の土地を「幾らなら買えるのか」と尋ね、森友側が1億6千万円だと答えると、売却額が1億3400万円に決まった。しかも、国有地売買契約は原則一括払いなのに、財務局側から分割払いを提案した。これがNHKのスクープの内容だ。もっとも、森友8億円問題は、日刊ゲンダイによって、1982年度大蔵省入りの仲間内で仕組まれたことは明白になっている。同期の迫田国税庁長官、武内財務省国際局長、佐川財務省管財局長がつるんで忖度(?)した事は間違いない。でも全ては藪の中。今更森友問題を追求する積もりは無い。だが、何と張本人の佐川が国税庁長官に栄転した。しかも霞ヶ関の人事を仕切るのが内閣だ。「無い無い尽くし」の論功行賞そのものと言える。出世の為には手段を選ばない輩を、税を取り立てる長にさせても良いのか。税金制度は、益々歪んでいくように見える。国民はなめられているのだと熟々思う。