地方創生はどうなった

文化庁の京都移転が決定した。2021年までに7割の約250人が移り、残りの3割は霞ヶ関に残るという。中央省庁の地方移転は政府の「まち・ひと・しごと創生本部」が推進しているプロジェクト。人口減少社会に備えて「東京一極集中の是正」と「地方への人の流れをつくる」ことを目的としている。安倍内閣の目玉政策だった。当初政府は企業に本社機能の地方移転を呼びかけたが、石破前地方創生相が「政府機関も範を示さないと説得力がない」と発言し、中央省庁も地方に移転することになった。地方が7省庁の移転に手を挙げたが、結局移転するのは文化庁だけになってしまった。消費者庁、総務省統計局、特許庁、中小企業庁、観光庁、気象庁の話は立ち消えになってしまった。原因は、山本地方創生相の力量とやる気の無さと、地方転出を嫌がる官僚の頑強な反対だろう。山本にとっては、加計学園で首相にゴマを擂ることよりも中央省庁移転の方が政治家として大きな仕事のはずだ。だが山本から見ればゴマを擂る方が大臣寿命が延びるメリットがあると読んだのだろう。情けない選択だと思う。政府は中央省庁の地方移転をもっと積極的に推進すべきだと思う。しかも、直面する現場へだ。例えば、原子力規制庁と環境省は福島原発の隣に、観光庁は北海道と沖縄に、気象庁は災害多発県に分散等。単に地方に移転させれば良いというものではない。現場を直視し現実的に問題を解決してこそ省庁の仕事と言える。中央に座っているだけでは問題は解決しない。