キリンフリーの市民権

スーパーの酒類コーナーは花盛りだ。各種各様のアルコールたちが我こそはと競い合っている。最近はノンアルコールビールがその一角を占めている。ノンアルコールビールが不動の地位を築いたようだ。ネットでは、会社の就業時間内の昼休みや休憩時間にノンアルコールビールを飲むことの是非が俎上に載せられ議論が繰り広げられているとのこと。就業時間内のアルコールを禁止し、コーヒーやお茶などを仕事の合間に飲むことは問題にしない企業が殆どだ。では、ノンアルコールビールはどちらに属するのだろうか。単なる炭酸飲料と考えればコーヒーと同じ。就業中でもOKのはず。でも、抵抗がある。飲んでいる姿は、傍から見てもアルコールかノンアルコールかは分からない。だから、飲んでいる姿はアルコールを飲んでいるように見える。この「見える」ゆえ、自分は就業中のノンアルコールには反対だ。反対の理由はもう一つある。一口にノンアルコールビールと言っても、2種類ある。ノンアルコールの定義はアルコール1%未満。裏返せば1%未満のアルコールは入っている。2種類とは、アルコール1%未満のものと完全0%のもの。2009年にキリンが完全0%の「キリンフリー」を発売し大ヒットしてから多くの飲料メーカーが参入した。でも、アルコール1%未満も残っている。普通のビールはアルコール4%だから、1%未満のノンアルコールビールを4本飲めば1本飲んだことになる。ノンアルコールビールを一括りにして、銘柄別にアルコール度をチェックする人などいない。酒気帯びになる可能性は高い。従ってノンアルコールビールが全銘柄アルコール0%を達成するまでは、ノンアルコールビールのコーヒー並の市民権は得られないはずだ。