天才たる由縁

テレビ東京で、世界卓球と全仏テニスの二元中継を放送していた。見たいのはテニス。錦織対シャルディ戦を見た。錦織は昨年の全仏4回戦でフランスのガスケに敗れた。錦織にとって全仏での地元フランス選手は鬼門のようだ。試合開始前は、格下のフランス人シャルディに負けなければ良いのだがと案じていた。しかし、中盤で相手を圧倒し3-0で勝利した。苦戦した1回戦の対コキナキス戦に較べれば雲泥の差、上り調子だ。3回戦がより楽しみになってきた。テニスが終わりテレビを消そうとしたら、世界卓球に切り変った。男子シングルス2回戦の水谷対張本が始まろうとしていた。世界卓球で日本選手同士が当たるのも珍しいが、日本王者の水谷に13歳の張本が挑む。物珍しさに見ることにした。でも、新入幕力士が横綱に胸を借りるようなもの。張本は急成長だが、水谷が軽くいなして終わるものと思っていた。ところが、はなから張本が水谷を圧倒する。それも、半端な強さではない。張本は水谷を完膚なきまでに打ち砕いた。張本は100年に一度の天才と言われている。見終わってから天才が育つ背景は、何があるのだろうかと考えた。国際競技大会で活躍できる競技者を育成するために創設されたエリートアカデミーで学んでいること。両親が中国出身の卓球選手だったこと。両親の故郷である中国でトップ選手と猛練習を行えること。これらの環境に加え、本人のやる気。でも、これらが全て揃っても天才になるとは限らない。天才たる由縁は、天才だからとし言い様がない。