幸福度51位、でも幸福低下率は20位

一昨日の3月20日は、国連が定めた「世界幸福デー」だった。世界の155カ国を対象にした幸福度ランキングが発表された。記事には「幸福度は、GDP、健康寿命、汚職の無い社会、他者への寛容さ、人生を選択する自由などから割り出した」と書いてある。ここで疑問が生じた。GDPと健康寿命は数値化出来るが、汚職や寛容さや自由を如何にして数値化するのだろうかと。調べてみると記事が間違っている事が分かった。幸福度とは、国連が各国の国民に幸福度のアンケートをとって集約したものなのだ。例えば、10段階評価で「自分にとって最高の人生」を10、「自分にとって最低の人生」を1とすると、現在あなたはどの段階にいますか?という具合のアンケート。それを集約し、各国の平均値を算出し、数字の順に並べただけのものだ。GDPとか汚職とかは、国連がその数値を説明しようと試みたもの。単なる後付け説明なのだ。だから、日本が53位から51位に順位を2つ上げたなどと喜んでも何の意味もないのだ。ただ分かるのは、北欧の国々の国民は「自分が幸福だ」と思っている人がが多く、アフリカでは「不幸だ」と思っている人が多いということだ。2005年~2007年の値と2014年~2016年の値を比較したデータがある。それによると、日本は-0.447で、この10年間で幸福度が低下しており、しかもその低下率は世界の20位で、不幸になったトップグループにいるのだ。順位が2つ上がったと喜んでいる場合ではない。