持ち味とターゲット

我が家の近くには、ユニクロ、しまむら、サカゼン、大塚家具、ニトリがある。客入りの状況で好不調が良く分かる。ユニクロの営業利益は前年同期比13%減に対し、しまむらは40%増。営業利益の増減に比例して客も増減している。ユニクロは高品質、低価格が売りだったのに中価格にシフトしたから魅力が無くなった。更にヒット商品が出ないのが追い打ちをかけている。しまむらは裏地あったかパンツのヒットやファッション性の高いコラボ商品が業績を牽引しているようだ。一方石ちゃんのサカゼンは開店当初から客の入りが悪い。今では殆んど客を見かけない。撤退は時間の問題だろう。同じアパレルでありながら、持ち味とターゲットの絞り方次第で、こうも変わるのかと恐ろしくなる。このことは家具にも言える。ニトリは好調だ。価格は安いし品質もそこそこ。一方大塚家具は閑古鳥が鳴いている。平日はいつ見ても広い店内には客が1~2人しかいない。父と娘で経営権を争ってから1年半が経った。今期の最終赤字は確定的。無借金経営ではあるが、80円と約束した配当を履行出来るか出来ないかの瀬戸際を彷徨っている。業績の不振は、安売りセールを続けたため、従来の高級品リピーターが逃げてしまった所為と言われている。高級は高級に、低価格は低価格に拘っていれば、大塚家具もユニクロも泣かずに済んだものにと思う。持ち味の認識とターゲットの絞り込みが、明暗を制す典型と言えそうだ。