ノーベル平和賞の価値

今年のノーベル平和賞はコロンビアのサントス大統領が受賞した。50年以上にわたり20万人以上が犠牲になり、600万人が家を追われた内戦を終結させた功績が評価されたようだ。だが、和平合意後に実施された国民投票では僅差で合意が否決されてしまった。その国民投票の結果を持ってノーベル平和賞には値しないという声もある。そうだろうか。サントス大統領の実績は、現実的に内戦を終結させたことにある。国民投票の前は、国民の3分の2が賛成していたと言われていたが、結果は否決。理由は賛成派が安堵し投票に行かなかったからとか、反乱軍の戦闘員を解放したからとか言われている。圧倒的な優位ではない限り、戦闘を終結するにはある程度の妥協は必要だ。妥協の程度の問題はあるが、それは従属的な問題で、本道は内戦終結にある。間違いなくサントス大統領はノーベル平和賞に値すると思う。一方2009年に受賞したオバマ大統領のノーベル平和賞は妥当だったのだろうか。受賞理由はプラハの核廃絶宣言。その後核廃絶が進んだ実績は無い。第2弾が退任間近の広島訪問。レガシー作りと囁かれている。社会的インパクトを重視するノーベル賞には、あまりそぐわないような気がする。しかし、平和を実現することは極めて難しい。平和賞に限れば、それなりの立場にある人が平和になるための宣言をすれば良しとすべきものなのかもしれない。それ程平和の実現は難しいということをアピールするのがノーベル平和賞なのだと思う事にした。