ヒラリーの変遷

米国大統領選でヒラリー・クリントンが、TPPについて大統領になっても反対すると演説した。5年前の国務長官時代はTPPを支持していた。ところがトランプのTPP攻撃に遭い「修正しなければ反対」の立場に変わった。そして今日は、明確に反対との表明に至った。サンダース票の取り込みを狙ったがための宗旨替えがバレバレだ。得票の為なら主張を変えるのが大統領選なのかもしれない。しかも、就任後は公然と公約を破棄するのも米国大統領の常だ。だが、今度ばかりは当選してもすぐにはTPP賛成には変われまい。それにしても、米国人のヒラリー嫌いは徹底している。何故なのだろう。一口で言うと、彼女は信用の置けない人間と思われているからだろう。ビル・クリントンの州知事時代の不正疑惑であるホワイトウォーター事件が発端かもしれない。ヒラリーは何かを隠している。正直に話をしていないイメージがついた。ビルのホワイトハウス浮気スキャンダルが発覚しても、ヒラリーは怒るどころか平然としていた。仮面夫婦を隠しているとのイメージを与えた。ヒラリーはリベラルではあるが、外交は共和党以上に右派だ。右派取り込みの為銃規制にも反対した。軍事力により世界秩序を安定させる方針を主張している。そのため軍需産業の献金を最も受けてるのも共和党員ではなくヒラリーだ。金の為なら戦争も辞さないように映る。本来のリベラル支持派からは裏切り行為に見えるし、信用の置けない人物に見えるはずだ。そしてメール問題とTPPの変遷。ヒラリーの欠点は、隠している、正直ではない、だけでなく、主義主張が一貫していないことに尽きると思う。でもトランプよりはマシなのか。米国大統領選はまだまだ混迷が続きそうだ。