継続性と脚光性と客観性

日経が3か月前に「新粒子の発見か。欧州合同原子核研究機関CERNがヒッグス粒子の約6倍の質量を持つ新粒子の可能性があるデータを掴んで検証中。もし存在すれば、現在の素粒子の標準理論を塗り替える大発見」との記事を載せていた。また新発見かと楽しみにしていたが、CERNは検証の結果、データのバラツキであり新粒子ではなかったと公表した。そして今日、日経は素直に「CERNが検証していた新粒子はなかった」と報道した。珍しい報道だと思う。マスコミは脚光を浴びそうな情報は大々的に扱うが、その後のネガティブな面を取り上げることは極めて稀だ。関心のある者にとっては、その後の経過が気になるものだ。だが、マスコミには概して一貫性がない。悪く言えば、つまみ食いの記事しか載せない。報道の継続性とか中立性よりも、売上目当ての脚光性にしか頭にないようだ。その典型例がSTAP細胞だ。連日連夜あれ程騒いだのに、STAP現象は存在しないと結論されると、その後のSTAP記事は皆無になった。ところが、その後欧米でSTAP現象が確認されたと報告された。だが、その事を取り上げた新聞社はゼロだった。もしマスコミが真実を求めているのであれば、飛びついて報道するはずなのだが。読者は客観性も求めていることを忘れないでほしい。