ほぼほぼって?

最近のテレビのニュースは画面の下に字幕が出て来る。自分はどういう訳か、音声を聞きながら画像よりも字幕を読むことが度々ある。昨日のニュースで、街角の人々にインタビューする場面があった。もうどのような内容のインタビューだったのかは覚えていないが、違和感を覚えた字幕があった。インタビューを受けた人が「・・・ほぼほぼ・・・」と答えたら、字幕にも「ほぼほぼ」と表示されていた。その時、字幕を作る人は、馬鹿丁寧に言った通りに字幕にするのだと思った。正直に言うと、内容も考えず機械的に字幕にする無責任さが気になったのだ。ところが、今日Webで「ほぼほぼが、ほぼほぼ定着?」という記事を見つけた。「ほぼほぼ」は新語で「ほとんどそれに近い」という意味とのこと。「きっと」とか「必ず」という断言ではなく、限りなく断言に近いけれど、ほんの少し不確定さを残したい、という意図を表している。「ほぼ」が90%で「ほぼほぼ」は95%というニュアンスのようだ。数年前からブログなどで頻繁に使われるようになり、今では国語辞典の「ほぼ」の注釈に「俗に、重ねて使う」と付け加えられているという。同じ言葉を重ねて使うのは、日本語としてはごく当たり前の強調表現なのだそうだ。ただ「ほぼほぼ」は新参者なので公に使うと違和感を覚える場合があるが、10年も過ぎれば立派な日本語として成長しているかもしれないとのこと。「ほぼ」という言葉で思い出すのは、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」だ。糸井さんは「ほぼ」と命名しながら、毎日一日も休まず更新している。そのうち「ほぼほぼ日刊イトイ新聞」に変わるかもかもしれない。この「西成恭介の雑感帳」も、書き始めてから5年が過ぎたが、毎日更新し続けている。そろそろ副題に「ほぼほぼ」を付けても許される時期に来ているのかもしれない。