BREXITからBREGRETへ

英国では離脱派を主導した政治家が舌の根も乾かぬ間に公約の反古を言い出した。残留派からは不満が噴出しているようだ。スローガンでは、離脱するとEUへの拠出金が浮き、国民保健に出資出来るとしていたが、英国独立党のファラージ党首は誤りだったと発言した。保守党のダンカンスミス元党首も教育予算に上乗せ出来るとしていたが、あくまでも可能性の話だとお茶を濁した。ハナン欧州議会議員は移民全面阻止を若干管理出来るに下方修正。ボリス・ジョンソン前ロンドン市長は主張が嘘だらけで「恥を知れ」と罵声を浴びている。しかし、これ程スローガン合戦で中身のない国民投票も珍しい。国民は中身も知らずにスローガンに踊らされていただけなのだから、国民投票という制度は恐ろしいものだと思う。マスコミでは、国民投票で英国のEU離脱が決まったと報道しているが、正確に言うとそれは間違いのようだ。国民投票には法的拘束力は無く、議会への助言程度の力しか無いとのこと。議会は政策決定の参考にすればよく、投票結果を履行する法的拘束力は無い。議会は離脱に反対し離脱手続きを進めない選択肢もある。だが助言程度と言えども国民投票の結果は重い。もし国民投票後の英国民の総意が残留と見込めれば、議会は解散総選挙で再度民意を問うことも出来る。いまボールは議員にある。離脱派が主張していたBREXIT(BRITAINとEXITの造語)はBREGRET(BRITAINとREGRET)へと変わりつつあるようだ。