企画間違いの「精霊の守り人」

NHKが莫大な制作費を投じた「精霊の守り人」が、早や3話目で視聴率10%を割ってしまったとのこと。「精霊の守り人」は、毎週土曜日9時のゴールデンタイムで、全20回を3年がかりで放映される予定とか。週刊誌などは、主役の綾瀬はるなの女優生命の危機と騒いでいる。だが、視聴率低迷の要因は綾瀬にあるのだろうか。我が家では、カミサンの要望で初回を観たが、面白く思えずそれ以降は観ていない。「精霊の守り人」は異世界ファンタジー小説で、アニメや漫画で人気を博したことがあったようだ。では何故視聴率が低迷しているのかを考えてみた。配役に問題があったのだろうか。綾瀬はるなは難しい殺陣も熟し熱演している。自分は余り綾瀬を好きではないが、決して綾瀬の所為で視聴率が低迷しているとは思えない。週刊誌の指摘は的外れだと思う。「精霊の守り人」のようなファンタジー物語が好きな世代は、スマホゲームに夢中な若者だ。テレビよりもゲームや漫画が好きだ。だから、最近の若者はあまりテレビを観ない傾向にある。一方、熟年者はテレビ鑑賞が好きで刑事物は良く観るが、ファンタジー物語には興味を示さない人が殆んどだ。結局、ゴールデンタイムの主な視聴者である熟年者の興味の対象外であること、ファンタジー物語が好きな若者はテレビ離れをしていること、が低視聴率を生み出しているように思う。高視聴率を得るために金をかければ良いというものではない。人気があるからと言って話題性のある番組を作れば良いというものでもない。ゴールデンタイムの視聴者の好みを分析していない。突き詰めれば、NHKの企画そのものが間違っていたということだろう。NHK視聴料金の壮大な無駄遣いと言えそうだ。