サッカー監督の賞味期限

女子サッカーのリオ五輪アジア最終予選が始まった。6か国総当たりのリーグ戦で、上位2か国だけが五輪切符を手に出来る狭き門だ。しかも10日間の強行日程だが、日本はホームだから大きなアドバンテージがある。初戦はオーストラリア。嘗てのなでしこの実力が発揮出来れば勝利は固いと思っていた。ところが、ゲームが始まると、一方的にオーストラリアのペース。寄せが速い。キビキビと動く。一方なでしこはモタモタしていてボールを保持出来ない。我が家のテレビ観戦は、前半で見切りをつけてチャンネルを回した。それにしても何故こんなに弱くなってしまったのだろう。オーストラリアの監督は試合終了後に「まさに歴史的勝利だ」と歓喜の声を上げたとか。対日本戦に照準を絞り、日本の布陣を徹底的に研究したようだ。一方なでしこは沢選手は抜けたものの不動のメンバー。不動と言うよりは、変わり映えがしないと言うべきだろう。メンバーが固定されているから戦術が読まれ易いし、マークもし易い。初歩的な戦術ミスだ。佐々木監督がなでしこを率いて8年になる。昨年監督に再任された時、本人は「またやるの」と漏らしたし、自分も佐々木続投を奇異に感じた。その時既に佐々木の監督しての賞味期限は過ぎていたからだ。日本サッカー協会は、チームの更なる強化よりもリスク回避の安全志向で佐々木を選んだ。それがそもそものミスだった。昨年は沢選手もいたが、監督の采配ミスで試合を壊すことが多かった。新戦術を打ち出せず、かつ若手を抜擢せずに古株選手に固定した。相手に手の内を全て曝しているようなものだ。少し研究すれば、日本のツボを抑えるのは容易。更に対オーストラリア戦では、監督のリスク回避体質が、選手にも伝染したようだ。リスクをとって攻める選手がいなかった。さて、残り4戦でリスクを取った開き直りが出来るのだろうか。