不振の日本マラソン界

国内最大の市民マラソン「東京マラソン」が行われ、3万6000人のランナーが都心を駆け抜けた。今年で10回目を迎え、市民マラソンとして定着したようだ。大会には海外から参加するランナーが年々増えていて、今年は85の国と地域から6000人を超える人が参加したとのこと。外国語で対応できるボランティアも多く集まり、警備も厳戒態勢で臨み心配したテロも起きなかった。2020年の東京五輪の予行演習としては、まあまあの出来だったのかもしれない。ところが日本人ランナーの成績は寂しい限りだった。リオ五輪派遣設定記録は2時間6分30秒。それに対し日本人トップは一般参加のランナーで2時間10分57秒で8位。日本陸連が強化をしているはずのナショナルチームの成果は全く出ていない。男子マラソンの日本記録は、高岡選手が2002年に出した2時間6分16秒だが、記録は14年も更新されていない。世界のマラソンは高速化しているが、日本は乗り遅れている。日本陸連は、選考方法には熱心だが、選手強化には興味が無いのかもしれない。不透明な選考でマスコミを賑わすよりは、選手強化に力を注いでほしいものだと思う。いつまでも大昔に成績を残した指導者の昔ながらの指導に頼っているのも、振るわぬ一因に違いない。過去の成功例が、足を引っ張るのは会社経営と全く同じ構図と言えそうだ。