難解な黒田マジック

黒田バズーカ3が炸裂した。今度はマイナス金利を導入するという。株式は乱高下したが株高に、為替は円安に動いた。バズーカ1と2は、日銀が国債を買い上げることによる通貨供給量の異次元規模の緩和だったが、今度はマイナス金利だ。民間銀行が日銀に預ける当座預金の金利をマイナスにするということだ。そのため、民間銀行からみれば、日銀に預金すると金利を払うことになるので損。だから日銀ではなく民間会社への貸し出しに向かうはずだという魂胆。日銀側からみれば論理的には正しいと思う。だが、民間会社はバズーカ1と2で、たっぷり内部留保を溜めている。今どき銀行から融資を受ける会社など有りそうもない。しかも投資をする先もないのが現状だ。日銀はボールを蹴ったが、それをフォローしてゴールに蹴りこむ選手がいない。その選手がアベノミクスの成長戦略だったはずだのだが。マスコミはマイナス金利なったからといって、民間銀行もマイナス金利になることは無いと言う。本当だろうか。論理的には、我々個人の預金もマイナス金利になるはずだ。銀行に金利を払って預ける人などいるはずがない。結果として、全ての人が銀行から預金を引き出すことになる。そして銀行は潰れる。そう思うのだが、誰もそう言わない。自分がバカなのだろうか。それとも自分以外の全員が自分を騙しているのだろうか。黒田マジックは難解だ。