壱番屋の品質管理と安全管理

壱番屋の廃棄処分品が、不正に転売され問題になっている。壱番屋と言えば「カレーならココ一番や!」のCMでお馴染みの全国展開しているカレーチェーン店だ。カレーハウスCoCo壱番屋は、何処にもある。10年前には出店が1000を超し、ギネスに「最も大きいカレーレストランのチェーン」と認定された。勿論自分も食べたことがある。今回の問題は、廃棄したはずの中間製品であるカツなどの不良品が、廃棄されずに転売されたこと。ビーフカツに留まらず、チキンカツ、メンチカツ、ロースカツへと広がりを見せている。この1年余りで廃棄委託した数量は約60万枚に上るという。何故このような事件が発生してしまったのだろうか。壱番屋が廃棄処分とした行為は正しい。だが不正転売されてしまった。勿論、第一義的には不正転売した産廃業者であるダイコーにあることは間違いない。でも、単に産廃業者の問題として片付けてしまって良いのだろうか。自分は、問題は壱番屋の品質管理と安全管理にあると思う。まず、壱番屋が異物混入に敏感だったとはいえ、余りにも異物混入NGが多過ぎる。製造工程の管理が不十分であることは間違いない。次に、不良品を安易に処理業者に頼みっぱなしにしたこと。安全管理意識がなっていない。自分は化学関係の会社で経験した。産廃業者に頼むということは、頼んで終わりということではなく、産廃業者が確実に当方の所望通りの処理をしたのかを確認するところまで含まれている。壱番屋にはそれが無い。自分の行動に対する安全意識が弱いのだ。個人商店の成れの果てなのかもしれない。幸か不幸か、壱番屋は昨年末にハウス食品からTOBされて傘下に入った。ハウス食品の手始めは、味付けよりも品質管理と安全管理の植え付けなのかもしれない。