距離感の不思議

最近気付いたことがある。我が国での長さの単位はメートル。メートルとは国際単位系でかつMKS単位系における長さの物理単位だ。ギリシャ語のメトロンからの造語で、仏語はメートル、英語はメーター、漢字では米。パリにはX型の断面をしたメートル原器があると、小学校で習ったことを思い出し懐かしく思う。ところが、日本の中で、メートルではなく、ヤード表示の世界も存在している。誰でもお馴染みのゴルフの世界だ。だが、最近気付いたこととは、ゴルフのヤーデージのことではない。若い頃はゴルフの何が面白いのかと思っていた。地面の上に止まっている球を、いい年をした大人がひたすら打って穴に入れるだけの単純な遊びだと思っていた。ところが、やり初めてみると、相当奥が深く面白い。そして最初に出くわした煩わしさがヤード表示だ。ゴルフ場は何処に行ってもヤードで表示されている。慣れないうちは、1ヤードは90cmだから、100ヤードは90mと頭の中で換算していた。そのうち慣れてくると、140ヤードだから7番アイアンで打とうと、ヤード主体で番手が決まってくる。ところが、ところが、なのである。ひとたび球がグリーンに乗ると、カップまであと2メートルだなと思う。何とヤードがメートルに自動的に切り替わるのだ。自分だけかと思っていたら、そうではない。プロゴルフ大会の解説者も、グリーン上ではメートルで解説する。最近気付いたこととは、ヤード表示のゴルフでもグリーン上はメートル表示になるということだ。一つの同じ競技なのに、飛ばす時はヤードで、転がす時はメートルに変化する。驚きの発見だ。更に気付いたことがある。松山選手を除けば、海外トップ選手並みにパットの上手い日本選手はいない。この要因は間違いなく、日本人選手のヤード/メートルの切り替えの煩わしさにあるに違いないとの結論に至った。もっとも単なる勘違いかもしれないが。