東芝と政府のオセロゲーム

東芝の子会社ウェスチングハウスが、1600億円の損失を出していたことが判明したが、東芝は株主総会でもひたすら隠し、のれん代4000億円を減損処理させていなかった。経理上親会社が公表する義務はないようだが、企業倫理からも公表すべきものだったと思う。何しろ痩せても枯れてもコンプライアンスの東芝なのだから。そもそもの問題は歴代社長の不正会計操作から始まった。東芝の不正会計問題は、東芝が歴代3社長を提訴し総額3億円の賠償求める訴訟に段階が移った。だがその対応は、歴代3社長の重罪を賠償責任でチャラにしようとしているのが見え見えだ。東芝の罪はもっと根深いもののように見える。そもそも東芝の不正は、連続7期にも及び、水増し利益は2500億円に達している。10年ほど前に同じような粉飾決算をする会社があった。カネボウとライブドアだ。カネボウは2200億円の粉飾で上場廃止となり解散した。勿論帆足社長は有罪になった。ライブドアは53億円で上場廃止になり堀江社長が小菅刑務所に収監された記憶が生々しく蘇えって来る。カネボウとライブドアの罰を考えれば、東芝に対する罪は異常に軽過ぎると誰しも感じるはずだ。このまま放置すれば、日本にはガバナンスなど存在しないと世界から叩かれることは必定。でも、何故か政府は東芝を擁護している。しかし、証券取引等監視委員会は東芝を刑事告発することを検討しているようだ。と言う事は、東芝が黒になれば政府は白、東芝が白になれば政府は黒になる、という結果になりそうだ。まるでオセロゲームの様相を呈している。