強か同士の協力

「上海の企業が星野リゾートトマムを183億円で買収」という記事が目に留まった。星野リゾートと言えば、今や日本のトップクラスのリゾートホテル経営で有名だ。軽井沢から始まり、今では日本各地にその名を轟かしている。その星野リゾートが中国企業に買収されるという。いよいよ星野リゾートも経営に行き詰ってきたのかと思った。ところが、その記事を詳細に読むと、自分の憶測とは全く違う。記事の見出しに騙された。「星野リゾートトマム」は、星野が北海道のリゾートホテルの再生を手掛けた最初の成功例だと記憶している。だから星野が手放すなどということは一大事が生じていると早とちりしてしまった。「星野リゾートトマム」の株式は、全株を星野が持っていると思っていたが、アメリカ系ファンドが8割、星野リゾートが2割。たったの2割だったのだ。この度、中国系ファンド復星集団の傘下にある上海豫園が、全株を買収することになった。ホテル運営は引き続き星野グループが担うようだ。上海豫園の狙いは成長力。中国では、自然が豊かな北海道は特に知名度が高く、多くの中国人客が見込めると言う。中国ファンドは強かだ。資金を出して星野に任せる。これで口を出さなければ事業は成功するに違いない。一方星野も強かだ。金を掛けずに名とサービスを売ることが出来る。強か同士のwin-win関係にあるようだ。これも一つの国際協力なのかもしれない。