鉦叩きと出会って

5日前の月曜日に、庭になっている柿を収穫することにした。例年は高さ2mの脚立に登って採るのだが、足元不如意のため今年はカミサンの友達に高枝ばさみを借りることにした。テレビでお馴染みの高枝ばさみには、正直言って余り期待していなかったが、すこぶる調子がいいことを実感した。切れ味もホールド性も良く3~4m上の柿を難なく採ることが出来た。高さ4m足らずの木なのだが、100個以上の美味しい柿が収穫出来た。ところが収穫した柿を我が家に取り込んだ次の日から家の中で、虫が微かな声で鳴き出した。どうやら柿の蔕の裏側にでも潜んでいたらしい。カミサンはキュッキュッキュッと聞こえると言う。自分にはチッチッチと聞こえる。初日は洗面所の洗濯機の裏で鳴いていた。二日目も同じ場所で鳴いていたが声が小さくなってきた。そして三日目になり、声は更に小さくなった。食べるものが無いのだと思い、近くにキュウリを置いてみた。だが次の朝確認すると食べた形跡はない。そして昨日。居間のテーブルの上に小さな虫を見つけた。体長は1cm足らずで薄茶色だ。コオロギの幼虫のようにも見える。鳴き声を電子辞書で調べてみた。鳴き声は少しコオロギのようだが、弱々しいので違う。鉦叩きと似ているが、それよりは鳴き声が大きいような気がする。テーブルの上の虫にキュウリを与えてみた。すると驚くことに、その虫はキュウリに被りついた。1時間以上は被りついたままジッとしていた。そしていつの間にか姿を眩ました。今朝パソコンで調べてみた。結論から言うと、その虫は「鉦叩き」だった。今まで鉦叩きなど聞いた事もなかったが、コオロギの一種らしい。夏から秋にかけて小さな声で鳴き、鳴き声が鉦(カネ)に似ているのでカネタタキと呼ばれるようになったらしい。今も時々我が家で鉦叩きが鳴いている。今度見つけたら捕獲して我が家の庭に放してあげようと思う。たった1週間足らずの短い時ではあったが、楽しい鉦叩きとの触れあいであった。