無言の会話

秋たけなわ運動会の季節だ。今年小学校に入学した男の孫から電話がかかってきた。孫が運動会の初っ端に選手宣誓をするので見に来て欲しいと言う。これは是非見なくてはと思い、6時半起きで小学校に出かけて行った。6人の1年生が朝礼台に上がり順番に宣誓を発していく。我が孫が最初の言葉を発し最後の言葉も締めくくった。しっかりと歯切れの良い言葉で澱みなく言い終えた。小学校に入学してまだ半年余りだが、成長の速さに驚かされ、感動もした。昼休みは体育館の中で家族皆で食事をした。小1の孫が自分の隣に座り、胡坐をかいた自分の足に身体をぐいぐいと押し付けてくる。無言で「良く出来たでしょ」「凄いね、驚いちゃったよ、学校楽しい?」「うん、とっても」という会話を交わした。運動会は写真を撮るのに忙しい。小4の女の孫が団体競技のダンスするので、本部席のすぐ傍を確保しカメラを構えた。孫が自分を見つけ、ニコッと微笑みながら腰の近くで小さく手を振る。こちらもそれに応えて腰の近くで小さく手を振った。演技中なので直接話は出来ないが「来てくれてありがとう」「どういたしまして」という無言の会話を行った。孫たちが間違いなくスクスクと育っている様子を垣間見れた楽しい運動会であった。