中学生の10段ピラミッド

運動会の季節だ。だが、大阪の市立中学校の運動会で、男子生徒約150人が参加した10段ピラミッドが崩れ6人が重軽傷を負ったとのニュースには驚かされた。YouTubeを見ると9段とか10段のピラミッドが中学校や高校で流行っているようだ。全員が協力して困難に立ち向かい一つのモノを作り上げる事は、仲間意識を醸成させるし、見ている者にも感動を与えるものだ。だからピラミッドに人気があるのだろう。自分が中学生の時のピラミッドは5段だった。自分は下から2段目を担当したが、完成するまでに腕が震え我慢は限界に近かったことを思い出した。大阪の市教育委員会は事故をうけ、市内の学校にセーフティーマットを活用するなど安全策を徹底するよう通達したとのこと。でも果たしてこれが最善策なのだろうかと疑問に思う。高校生ならば兎も角、身体が充分には発達していない中学生にとって10段ピラミッドは体力的に過酷過ぎる。この種の競技は兎角過激なものに走り易い傾向にある。他校が8段出来たのなら、来年我が校は9段に挑戦しようと激を飛ばし、それが10段、11段へと増えてゆく。勿論段数が増えるほど危険は指数関数的に増加する。だが中学生には体力的な限界がある。指導者は高さ競争を目指すべきではない。体力勝負の高さではなく、適度な高さの範囲内で、速さとか形の綺麗さとかキビキビさとかの団体性を競わせるべきだと思う。