東京大空襲の犠牲者データ

自分は永いこと理系の仕事をしてきたので、文章よりも表グラフの方が物事を理解し易い。日経夕刊に「東京大空襲の年齢別犠牲者数」の棒グラフが載っていた。余りにも幼児や子供の犠牲者が多いことに驚いた。戦争は大人がするものだから、当然犠牲者は大人が多いと思っていたからだ。記事のタイトルは「幼い犠牲多く」。東京は100回以上もの空襲を受けた。その中でも1945年3月10日の東京大空襲は規模が最大で罹災者100万人以上、死者10万人以上の犠牲者が出た。この記事では死者10万人のうち、年齢が分かっている犠牲者約2万人の名簿を分析している。このグラフによると、犠牲者の4割以上が20歳以下の若者で、年齢別には0~4歳が一番多いのだ。米軍の作戦は狡猾だった。日本の家屋は木造だから火に弱い。だから焼夷弾を雨あられのように大量に投下した。しかも投下地は軍事施設など無い下町の住宅密集地だ。まさに子供を狙った空襲だったのだ。戦争は国対国、軍隊対軍隊の戦いであり、民間人は戦争当事者ではないとするのが世界の常識。東京大空襲は広島・長崎の原爆投下と沖縄戦と同じ無差別攻撃で民間人を狙ったものだ。もしあの戦争に米国が負けていたら、戦争犯罪として裁かれたはずだ。戦争は正しい国が常に勝つというものではない。勝った方が正しいとする結果論なのだ。戦後70年も経った。既に実質的に戦った人は殆んどいない。そろそろ前向きに歩み始めても良い頃だと思うのだが。