ソフトパワー大国

英国のコンサルティング会社が「ソフトパワー」の世界ランキングを発表した。1位英国、2位ドイツ、3位米国、そして日本は8位だった。「ソフトパワー」とは、その国の文化や政治的価値観や政策の魅力に対する理解を得て、国際社会からの信頼や発言力を獲得し得る力のこと。簡単に言うと非軍事国力だ。対義語は「ハードパワー」で、国家の軍事力や経済力などによる対外的な強制力。「ソフトパワー」は、政府、教育、文化、企業活動、外交、デジタルの6分野を数値化して順位付けするとのこと。結果に対するコメントが的を射ている。1位の英国は、文化やデジタル、外交で高得点を得たようだが、1位を獲得したのは英国の会社が評価したという依怙贔屓もあるからだろう。日本は、教育や企業活動でポイントを得た。独自の文化や技術開発力が優れているが、高い教育の割に英語によるコミュニケーションが弱いと指摘された。その通りだと思う。政府や外交は言うに及ばずということなのだろう。20位の韓国は、サムスンを評価するものの日韓関係の悪化を深刻な課題と位置付けた。30位の中国は、経済発展に政治制度が追いついていないと分析。インターネットの検閲や政治的な異論の封じ込めが国の起業家精神を湿らせ、社会の発展を妨げているとも指摘。株式市場のバブル崩壊の懸念も悪材料とみなされた。「ソフトパワー」をヒトに例えると、聡明で見識もあり人付き合いも良く、自立心に溢れた個性的なスポーツマンと言えるかもしれえない。勿論今後日本はソフトパワー大国を目指すべきだと思う。