喝!と断じるご意見番の見識

張本のカズ引退勧告と、それに対する横浜FCカズの対応がネットを騒がせている。事の発端はTBSの「サンデーモーニング」のご意見番(?)張本が、Jリーグ最年長ゴール記録を更新したカズに対し「若い選手に席を譲らないと伸び盛りの選手が出られない。だから、もう辞めなさい」と言ったこと。そして、カズはその言葉を「激励」だとポジティブに受け流したとのこと。「サンデーモーニング」のご意見番は、大沢親分がいた頃は面白かった。辛口だが、少し控えめで、人情味たっぷりで、見識を持ちながら、かつ高所から俯瞰していたからだろう。ところが、張本一人になってからは酷い。昔のワルガキがそのまま図体だけがデカくなり、言い回しだけがご意見番になったようだ。そもそも「喝!」と「あっぱれ」の価値判断が狂っている。本人は通算安打3085本の日本記録を持っていて、例えイチローが日米通算4000本を記録しても、日本記録は自分のものだと主張している。当時の日本プロ野球の実力はMLBの2軍以下にも関わらず、MLBの方が年間試合数が多いからだと、訳の解らない理屈を捏ねている。また岩隈の続投を巡って自分に楯を突いた江川紹子を強引に番組から降板させたりしていた。まさにこの人の人生は一生ワルガキなのだ。大沢親分が張本に墓場の陰から「喝!」と言っているかもしれない。その点カズの対応は「あっぱれ」だ。大人の対応だ。30代のカズはスター気取りでチャラチャラしていて、もうこの人も終わったかと思っていた。ところが、それが過ぎると本来のカズに戻った。サッカー一途の人生になった。もう頑張らなくても良いのでは、と思うが頑張っている。カズの頑張りは一人の若いサッカー選手の席を奪っているかもしれないが、何千何万というサッカー選手の卵たちに夢を与え続けている。真っ当なご意見番であれば「動けなくなるまで輝き続けなさい」と言うはず。腕力だけのご意見番にはそろそろ退場が近そうだ。