君子は危うきに近寄らず

HONDAのインサイトに乗り換えてから5年が過ぎた。インサイトには満足しているが、買い替える時はHONDA以外のメーカーにしようと思っている。最近のHONDAの評判は極めて悪い。円安の追い風を受けて自動車メーカーは過去最高益を更新中なのに、HONDAの業績はマイナスで一人負けの状況だ。原因は新型フィットHV。発売後1年足らずで5度のリコール。電子制御システムの不具合で発進・加速が出来なくなる。まさに欠陥車だ。明らかな人災と言われている。その元凶が伊東社長。もともとHONDAは、新車作りは本田技研が担当し、その試作車を本社が買う仕組みになっている。創業者の本田宗一郎が本社の業績に左右されずに車作りに専念出来るよう開発部門を独立させたからだ。ところが、本社の伊東社長が本田技研にフィットHVの開発期間とコスト圧縮を命じ、未完成のまま強引に販売に踏み切らせてしまったようだ。これだけならば社長の首を挿げ替えるだけで問題は解決しそうだが、そうは問屋が卸さない。今の自動車業界の燃費競争は、エンジン設計と電子制御がキー技術だ。伊東社長はこの開発者を削減したばかりか、何とHONDAの電子制御の開発をしている子会社ホンダエレシスを売却してしまったのだ。昔は技術のHONDAと言われたが、既に面影はない。いつ止まるか走るか分からない自動車には怖くて乗れない。君子は危うきに近寄らず。