ATPツアー・ファイナル(3)

またまたテレビを観ながら興奮した。錦織の1次リーグB組最終戦の相手が試合開始1時間半前に突然代わった。ラオニッチが怪我で棄権し、控えのフェレールになった。ラオニッチは弾丸サーブだがフェレールはストローカー。タイプが正反対だ。錦織は対ラオニッチ戦術を練りに練っていたはず。テニス界最高峰の試合で対戦相手が1時間半前に突然変更されれば、その衝撃は計り知れない。試合が始まる前に、錦織を気の毒に思った。一方フェレールはどう感じたのだろうか。常にトップ10入りしていた実力なのに、BNPパリバ・マスターズで圧していたのに錦織に敗れATPツアー・ファイナルの出場権を逃した恨みがある。正に雪辱戦だ。しかも、錦織は既にハードな2試合を戦ってきて疲労しているが、自分は休養十分。持ち前の粘り強さで勝ち抜けると信じていたはずだ。状況はフェレール有利、錦織不利。こんなことを思っているうちに試合が始まった。ところが、セットカウント1-1の後、第3セットは錦織が圧倒し勝利を収めた。同じ日本人として錦織の準決勝進出はとても嬉しかった。しかし、その一方フェレールの健闘にも賛美を贈りたい。控え選手は、ただ空きを待っているだけではない。出場するかしないかが分からないビッグゲームで待機することの精神的辛さは並大抵ではないはずだ。見えないところに賛辞を贈りたい。興奮を有難う。