先人の轍を踏まず

安倍首相が広島の被災現場視察を取り止めた。現地では猫の手でも借りたい位人海戦術が必要な時だ。こんな最中に現地に赴けば傍迷惑以外何物でもないことは誰でも分かる。適切な判断だったと思う。原発事故直後菅元首相は現場視察で現場を混乱させたし、セオル号沈没事故では朴大統領の行動が問題視された。この種の悪例は豊富だ。まずは先人の轍を踏まずということだろう。菅の傍迷惑さには故吉田福島原発所長が生々しい証言をしている。ところが政府は吉田元所長調書を今になってやっと公開する方針に転換した。証言を基に責任追及しないという前提で聴取したので非公開にしていたが、既にマスコミに流れてしまっているので公開するのだと言う。しかし責任追及と事実究明は全く別物だ。事実を隠した政府の事故調査・検証委員会とは一体何だったのだろうかと思う。広島土砂災害では思いもかけないほど多くの死者行方不明者が出た。先人の轍を踏まない事前防災対策が必要だ。