変わりゆく歴史の真実

戦国終期から江戸始期にかけての時代は、日本統一に向けて信長、秀吉、家康らが波瀾万丈の生涯を送り、その歴史考証もほぼ定説化している。今年も人気が高く、NHKでは「黒田官兵衛」が放送され、日経では「天下家康伝」が連載されている。10年ほど前に発刊された「信長の棺:加藤廣:新潮社」は歴史に新説を導入した興味深いものだった。ところが、それを遥かに凌駕する本が発刊された。「本能寺の変431年目の真実:明智憲三郎:文芸社文庫」だ。著者の明智憲三郎氏は明智光秀の末裔で専門は情報システムの技術者。古文書を丹念に調べ上げ定説を覆す衝撃的な結論に辿り着いている。定説となっている歴史は真実とは限らない。その時代に権力を得た支配者が、自分に都合の良いように真実を捻じ曲げて定着化させるからだ。それ故歴史は時代を経るに従って新事実の発見があると定説が変化していく生き物とも言える。この本の内容は後世になって日本の歴史の定説に成り代わるような気がする。明智憲三郎氏は科学技術者ではあるが同時に、一流の歴史家であり文学者でもあると思う。是非多くの人が「本能寺の変431年目の真実」を読んで、歴史のロマンに触れてほしいものだと思う。

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コメント: 7
  • #1

    通りすがり (水曜日, 20 8月 2014 15:23)

    貴兄も「子孫」という権威(実際には血縁は断絶しているが)に騙されたひとりですね。

  • #2

    nishinari (水曜日, 20 8月 2014 22:14)

    通りすがりさんへ:コメントいただきありがとうございます。
    「子孫」という言葉は、この本を読むことになったキッカケに過ぎません。読後結果として、著者の洞察力、研究心、構成力に感心しました。物書きを目指す自分にとって、素晴らしく才能と体力のある方だと思っています。

  • #3

    通りすがり (水曜日, 20 8月 2014 23:27)

    実際のところ、マスコミ受けはよいが学界からは無視に近い扱いと、かつての八切止夫氏の再来というべでしょう。

  • #4

    nishinari (木曜日, 21 8月 2014 11:14)

    学会が正しいとは限りません。研究者にとって、大先生には逆らわないのが生きる道でしょうから。東日本大震災で地震学会が様変わりしたのも学会の体質を物語っていると思います。

  • #5

    通りすがり (土曜日, 23 8月 2014 05:36)

    「大先生には逆らわないのが生きる道でしょうから。」ってトンデモ論者の常套句です。
    著者が、未だにそのようなことを連呼していること自体、嘲笑の対象になっていることをご存知ないんですね。
    少なくとも今の歴史学界には、御用学者のような方は数多いても、学界のドンのような方はいません。

    彼の問題点は、自説に都合の悪い史料の記述には口をつぐみ、都合の良いものだけをこれでもかと羅列することで、無知な読者を巧みに誘導していことです。
    彼は光秀の子孫であることを盛んに誇示していますが、本当の血筋について口を噤んでいることがそれを物語っています。

    彼の家系は、明智の血筋の子女を妻に迎えたものの子ができず妾の産んだ子が跡を継いだものでありそこで血筋は断絶している訳で、彼の祖父はそれを隠さず語っていましたが、今彼はそのことに一切触れていません。
    そのことは知る人ぞ知る事実ですが、表立って誰も批判しなのは人権上モラルに欠ける行為だからです。

    http://togetter.com/li/685616

  • #6

    nishinari (土曜日, 23 8月 2014 11:21)

    私には著者の血筋など興味がありません。この本は、小説として斬新な筋書きなので面白かったです。
    「通りすがり」さんは、歴史関係の専門家とお見受けします。
    学会で無視するのも良し、論戦するのも良し。何れにしても学術的に決着させるのが宜しいかと思います。

  • #7

    通りすがり (日曜日, 24 8月 2014 05:11)

    「小説として斬新な筋書きなので面白かったです。」そうした冷静な判断ができるかたが少ないの原状です。