汗をかく大統領がいれば

米国が人道支援のためイラク北部への空爆に踏み切った。オバマ大統領にとっては大転換だ。アフガンとイラクから撤退し、その後シリア国民を助けるためレッドラインを超えたら攻撃すると宣言したものの不発に終わった。元々オバマはアフガンとイラクからの撤退を公約に掲げ、平和的な解決を求めていたのだから、その信条からみれば当然の成り行きだったのだろう。しかし、その信条が、アフガンとイラクを混迷化させただけではなく、シリアを更に混迷化させ、それが元でイラクの凶暴な「イスラム国」を増長させてしまった。オバマは武力を用いず平和的に解決すると言って、確かに武力は用いなかったが、平和的解決のための汗はかかなかった。ガザもウクライナも同様だ。ただホワイトハウスに引きこもり、バカの一つ覚えのように経済制裁発言を繰り返すだけだった。平和は口先だけではやってこない。国務長官に丸投げせずに、オバマ自身が現地に飛んで汗をかいていれば、事態は大きく変わっていたはずだ。いまオバマは米国で最低の歴代大統領と評価されている。だが空爆に踏み切ったからといって、支持率が回復することはない。平和のために、口先でなく汗をかく大統領に生まれ変われば、自ずから支持率はいやでも上がると思うのだが。