木を見て森を見ず

政府は水素で走る次世代エコカー「燃料電池車」の購入時に300万円の補助金を支給することを決めたらしい。燃料電池車は水素と酸素を反応させて発電してモーターを動かす車で、排ガスはクリーンな水だけと言うのが謳い文句だ。一見地球に優しいクリーンな車に思えるが、本当にそうなのだろうか。燃料となる水素は現在工業的には石油から作られている。ところが同時に大量の二酸化炭素を生成する。車はクリーンでもトータルでみると温暖化ガス発生の塊となるシステムで、とても地球に優しい代物ではない。更に水素は空気中の酸素と激しく反応し爆発を起こす。万一衝突事故により水素が多量に放出されれば、炎上ではなく爆発だ。トンネルや密閉された車庫などで漏れて溜まれば、これも爆発の危険がある。ガソリンスタンドとなる水素ステーションは地雷が埋めてあるようなものだし、車は走る爆弾とも言える。安全・安心の面からも燃料電池車など作らない方が良い。いわんや補助金まで出して推進するなど狂気の沙汰としか思えない。「木を見て森を見ず」の典型例と言えるだろう。