邪魔な成功体験

最強の市民ランナー川内選手が、豪のゴールドコーストマラソンで日本人トップの3位に入った。その川内選手がマラソンのナショナルチームの選出方法や入れ替えに疑義を訴えたとのこと。マラソンのナショナルチームとは、世界でのメダル獲得を目的にマラソン強化を図るため今年4月発足した日本陸連のチームだ。部長は宗猛で、選手は男子12名、女子9名が選出された。しかし、そもそもマラソンにナショナルチームが必要なのだろうか。嘗て日本はマラソンが強かった。だがスピード化が進み外国勢には立ち向かえなくなってしまった。選手もそうだが、監督も酷い。嘗ての優勝経験だけに頼ったカリスマ性は色が褪せ、宗も瀬古も実績を残していない。要はスピードマラソンに見合った指導者が不在で指導法もないのが現状だ。上を目指す川内選手が日本陸連に物申す気持ちは良く分かる。選手の選考基準も強化方法も曖昧なのだから。今日本陸連が取り組むべき課題は、強化選手を集めることではなく、強化方法の確立と指導者の育成にあるはずだ。会社と同じで日本陸連も、嘗ての成功体験が成長の邪魔をしているようだ。