美味しいお客さん

薬は基本的には毒だから、飲まないに越したことはないと思っている。だが止むに止まれず服用するケースもある。30年近く前痛風に罹り、それ以来再発しないようにと尿酸の薬を飲んでいる。凄く痛い思いをしたので欠かさず飲んでいるが、尿酸値も下がってきたのでそろそろ止めようかと思っている。血圧は遺伝の所為か若い頃から高い。仕事のストレスが最高潮に達した頃の40代に170を超えたので、降圧剤の服用を始めた。リタイヤした今は一番弱い薬を飲んでいて、140を切る程度に収まってきたので、これも止めようと思っている。また総コレステロールが高いからと言われ、薬を飲んだが気分が悪くなり辞退したこともある。どう見ても典型的な現代病人間なのだ。ところが、世間の風潮が変わってきたようだ。血圧は147までが正常だと言う。「なにをどれだけ食べたらよいか:柴田博;ゴルフダイジェスト社」によると、コレステロールに善悪などなく、日本人はコレステロールが高いほど寿命が延びると言う。自分にとって風は追い風だ。服用を止めるチャンスだ。主治医に相談して、まず試しに1か月だけ降圧剤を止めることにした。その結果、血圧そのものもは変わらないが、時々動悸が激しくなり服用している方が楽になることが分かった。主治医に状況を報告し服用を続けることにした。尿酸は止めると再発する恐れはありますよと脅され、続けることにした。つくづく思う。自分は内科医の美味しいお客さんなのだと。