新しい水産王国日本の姿

日本人なら老若男女の誰しもが大喜びするニュースがあった。水産総合研究センターが世界で初めて陸上水槽でクロマグロの採卵に成功し稚魚もすくすくと育っているとのこと。既に海面いけすでは近畿大が実現しているが、自然条件に左右され易く環境を制御できる施設での稚魚の安定確保が課題だった。これで安定供給の目処がついたことになる。近年のクロマグロ養殖は、天然クロマグロの体長30cm位の幼魚を漁獲したものを養殖するため、養殖と言えども資源保護に大きな問題が有った。今回の技術が実用化されれば、天然クロマグロの保護が飛躍的に進むことになる。クロマグロ大好きな日本人も、世界の人から乱獲の文句を言われず寿司や刺身を堪能出来ることになる。残る課題は、ハマチ養殖のように薬漬けにしない養殖技術の確立だ。水産技術開発により新しい水産王国日本の姿が見えつつある。