後出しジャンケン

子供の頃ゲームの順番はジャンケンで決めるのがルールだった。どうしても勝ちたい時は、相手の手の内を見ながらほんの少し後出しをして勝とうとする。すると負けた方は必ず後出しはズルだから遣り直しだと揉めたものだ。ところが、いい大人になっても後出しジャンケンをする人がいる。都知事選立候補者たちだ。本来政策や方針に思い入れがあれば、先を競って立候補した方が優位に立てることになる。ところが近年の都知事選は、立候補期間終了ぎりぎりに立候補した者が当選する傾向にある。なまじ先に出て叩かれるより後の方がダメージが少ないとでも思っているのだろうか。またマスコミもぎりぎりに立候補した者に脚光を当てる傾向がある。どうも都知事選に勝つコツは中身のない美辞麗句を並べることと、ボロを出さないことにあるようだ。都知事選は将来を託す人を選ぶものではなく、単なる人気投票の場に成り下がってしまっている。立候補者も投票する人も質が落ちているということだろうと思う。