イナす世界

相手が緊張している時に、自分の力を抜いて、軽るくイナすという高度な技術ほど、自分を喜るこばせるものはない。だから自分はテニスが好きだ。今までのテニス人生を考えるとイナす世界が好きで、そのひとときの自分に酔っていたのではないかと思うくらいだ。そんな自分を喜ばせるシーンが昨日あった。球宴第1戦のDeNA浜の三浦の投球だ。球速測定不能の超スローカーブで二刀流の大谷も打ち取とった。試合後、巨人の原は三浦を絶賛したとのこと。原が褒めた理由は、簡単には打てないそのコントロールの絶品さにだ。確かに解説の工藤も、その難しいコントロールを褒めていた。三浦の一つの武器なのだろう。そして今日は阪神の藤波が日本ハムの中田に超スローボールを2球投げたらしい。超スローボールは藤波の持ち球ではない。こうなるとおふざけだ。質の悪い関西新喜劇そのものだ。球宴は悪ふざけをする場ではない。昨日は若手を褒めたが、今日は若手を嘆いた。野球人気復活の道はまだまだ険しそうだ。