情けない全国知事会議

松山で全国知事会議があり、その議決内容には注目していた。何故なら、いま選挙たけなわの参院は、本来果たすべき「良識の府」ではなく、衆院ダッシュ即ち衆院の紛い物の位置付けにしかないからだ。現に国民は参院などに期待はしていない。参院が機能しないので、更なる機能に頼るほかはない。だから自分は機能するはずと全国知事会に期待していた。全国知事会の主な議題は道州制、南海トラフ巨大地震の防災対策、来年度国家予算への要望事項。ところが結論は、道州制を先送りにしたばかりではなく、何と地震対策は各県に跨るので国への要望事項にするとしてしまった。一体、全国知事会とは何を議論し何を提言する場なのだろうかと思う。国と同じで何も決められない。決められないと言うよりは、本来決めるべきものを上に委ねる。情けない限りだ。県知事と言えば一国一城の主。一国の主の仕事は、その国の問題にだけ対処していれば良いというものではない。一国の主であるからこそ、全体の視野を持ち、他国との揉め事の解消や提携をはかるべき立場にある。そうする場が知事会ではあるのだが、その常識が通用しない。と言うよりは、はなからそんな心構えなど全くない。小粒の知事など寂しい限りだ。参院もダメ、知事会もダメとすると、国会は一院制しかないのかもしれない。